余白の家

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街道沿いの古い町並みの残る住宅地での若い家族のための家。
街道特有の近隣密接型の敷地に対してプライバシーを確保しながらも季節を感じ、雲の流れや庭の木々を眺める窓を
どのように計画するかが大きなゾーニングポイントでした。
玄関から眺める小庭、そしてリビングにつながる北庭は、道行く人の視線を気にすることなく過ごすことのできるスペースです。
住宅の平面的な計画においては、仕事から離れたプライベート時間の寛ぎを大切に、日々のゆとりを感じることが出来るよう、
生活の機能性とゆっくりと時間を感じられる居場所を要所に計画しています。
この家では壁の表情を意識して設計しています。
立面的には昔ながらの艶のある漆喰壁と粗いごつごつした表情を持つ吹付壁を対比させ、シンプルに切妻屋根を架けています。
また室内では艶を抑え、壁から天井へと一体につなげたピットリビングなど、包まれるような余白を感じる空間としました。
窓からの柔らかな光と映り込む木々の影が季節と時の流れを感じ、柔らかな穏やかさをこの家に与えています。

撮影 貝出翔太郎