前川國男邸
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たてものを保存展示している施設でも、近代建築家の自邸は珍しいのではないかと思う。
前川國夫は昭和の初めに渡欧し、コルビュジェに師事した建築家。
あの代々木体育館を設計した丹下健三の師匠ですね。
この自邸は昭和17年に建設され、戦後事務所としても使われたようです。
物資も人手も全く足らないであろう時代に、このモダン建築。
もちろん元々の家庭環境が一般家庭とは違うのでしょうが、
それはさておき、またも深く感じいった建築でした。
居間
たてものはこの居間を中心に書斎、寝室、台所、バスルームがあるだけのシンプルさ。
右手の階段を上がるとロフト状の小部屋があります。
階段上納まり
構造が少し解る方ならお分かりだと思いますが、
階段を支える側桁の荷重が2階床の根太に掛かっています。
かといって根太自体が梁ほど大きくなく、しかも片持ち…?
この根太は外部に持ち出していて、天秤になっているよう。
これを見たとき、来て良かった!と思いました。
使い勝手や間取りなどとは直接関係のないように思う、
様々な箇所のディテールの積み重ねが、その空間の質を造り上げていくと思います。
バスルーム
昭和17年にこのバスルーム!!
足元にもおよびつかないとは思うのですが…
先人の建築家の真摯な姿勢に触れることができ、
改めて気持ちの引き締まった、新年の東京行きでした。
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神戸市の建築設計事務所 H+M atelier(エイチプラスエム アトリエ)